入院中のお金の話

番外編です。入院中のお金の話。

 

「もしもの時に備えて」っていうけど、もしもの時に出入りするお金がどんなものかなんて当事者にならないとわからないし、ちゃんと調べる気にもならないと思うので、私の場合の話をします。

備えの参考にはしてほしいですが、役に立つ場面が来ないことを祈ります。

 

支出編

療養費

3割負担のアレ。多分有名な「高額療養費制度*1」がありますが、

  • 「多数該当」*2でなければ、限度額以降も3割負担が1%負担になるだけで打ち切りにはならない
  • 入院中の食事・個室ベッド代は適用外*3
  • 入院してる間の療養費と通院中の療養費は別計算
  • 歯科は別計算
  • 例えば院外処方などで薬代を薬局で支払った場合、月の薬代が21,000円を越えなければ薬代は加算されない

とか、結構ややこしいです。

でもまあマイナ保険証を利用すれば申請は不要なのは助かりますね。*4

 

ちなみに私は抗がん剤を使った月の総医療費が200~400万円ぐらいでした。なので、

  • 高額療養費の限度額が約8万円(総医療費で言うと約72万円)
  • 3割負担の限度額を超えた分がざっくり200万円なので、1%負担が2万円
  • 病院食は確か1食500円ぐらいなので、30日計算で4.5万円
  • ペットボトルの水を1日3本、月1万円

で、「多数該当」でない月は療養費が15万円ぐらい。「多数該当」の月は上2つが4.4万円になるので、まあ10万円ぐらいですね。

療養費(特殊なやつ)

私の場合は白血病だったのもあり、骨髄バンクへの登録で4,5万円、臍帯血の輸送費用で2万円ぐらいの臨時支出がありました。

元々あった固定費

これは…サブスクとかそういう話ではなく、家賃と税金です。家賃に関しては収入編でお話する団信とか、助けてもらえる制度はありますが、税金は待ってくれません。

健康保険料、年金、住民税とか、給料から天引きされていた分の数万円はゼロになった給料から引くことができなくて、会社から請求書が届きます。毎月ご丁寧に……

自宅で過ごすための費用

入院生活の間にも1週間程度の一時退院があります。ぱっと見リラックスできていいじゃんって思われるかもしれませんが、急変はしなさそう、という程度になったというだけで、がっつり免疫疾患がありましたので、感染症対策は(現在進行形で)必須です。

  • 清潔な布団に買い替え
  • 車を購入
  • 外食できないのでUberEatsの利用頻度が上がる

とかで、まあ具体的な金額はわからないですが、かなり飛びました。

収入編

保険

-入院保険

イメージしやすいやつですね、入院日額5,000円とかのやつ。会社でも入ってたので入院証明の診断書を書いてもらって申請します。ちょうど月15万円ぐらいになるので、療養費と相殺になります。ただ、普通の入院保険には日数制限があり、がんのような長期の入院には対応しきれません。私の場合も90日か120日で使い切ってしまいました。

-がん保険

がん保険にもざっくり何パターンか支払いの条件があります。

まあ普通の保険にも同じような特約はありますけども。

がん保険の強みは入院日数の制限がないことだと思います。入院後半の収入源は、次の項目の傷病手当金がん保険だけになってました。

一番付けておいてよかったのは一時金の特約です。入院日額の保険金とか傷病手当で返ってくるなら一時金なんて要らんでしょって思われるかもしれませんが、病気自体、あるいは治療の副作用とかで体調に波があるのにコンスタントに書類の準備とかやってられませんので、3,4か月分ぐらいのまとまったお金を入院序盤で振り込んでもらえたのは精神的に非常に助かりました。

傷病手当金

休職から1年半、毎月分をまとめて会社の健保から振り込んでもらえるやつですね。金額的には標準報酬月額の2/3なのでそれなりに大きいですが、前述の通り税金は天引きされていませんので……税金が引かれる前提で考えましょう。

あと、これは私の会社だけなのかわからないんですが、病院に診断書を依頼して2,3週、ようやく書類が返ってきて書類を会社に送りますが、振り込まれるのは2,3か月後です。具体的には、7月分の傷病手当金が振り込まれたのは9月の末。その後も締め日に間に合わなかったりで4か月遅れで振り込まれたりもしたので、なかなか生活費としてはアテにできない感じでした。めっちゃ助かってはいますが。

住宅ローンの団信

はいこれね…

住宅ローンには団信という保険があり、就業不能期間中のローン支払いをチャラにしてくれたり、三大疾病*5になったらその時点でローン全額チャラ、亡くなったらその時点でローン全額チャラ、とかいろいろあります。

私は三大疾病のプランで契約してましたので、白血病になった時点でローン全額チャラ、この先の家賃負担がなくなるので安心!

と思ってたんですが、この手のがん保険(入院補償とかも含む)には契約開始日から90日間の免責期間があるんですよ。

 

私が家を買ったのが白血病と診断される1か月前だったんですよね。

 

免責期間内でした。\\\チーン///

 

 

 

 

f***

 

 

 

まあもう1か月早かったらローン契約の話自体がチャラになって家買えなかったので、それを思えば家をちゃんと買えて、無事に帰ってこれただけで万々歳です。

 

みんなも必要なお金のことを知って、もしもに備えようね!

ではまた。

 

2025年6月12日

*1:高額療養費制度を利用される皆さまへ

*2:過去12か月で4回以上対象になっている場合、限度額が引き下げられる

*3:治療上必要なものは保険適用。なので、私が個室のクリーンルームに入った分の費用や、食事ができない時の高カロリー点滴の費用は保険適用です。

*4:マイナポータルへの連携も勝手にしてくれるので、医療費控除のために確定申告をする時も楽です。

*5:ガン、脳卒中心筋梗塞