元ボカロオタクがVTuberにガチ恋した話
初めまして。名前はまだありません。
コロナで帰省すら自粛しないといけないお盆休み、いかがお過ごしでしょうか。
私はお盆前から仕事もすっぽかしてダラダラしてましたが、ダラダラしてたらこれまで全く受け付けなかったVTuberにあろうことかガチ恋*1かましてしまったので、数年ぶりの感情を落ち着けながら初めてのブログを書いてみようかと思います。
オタクになる話
2010年、私はボカロに出会いました。当時の私は父の影響でビートルズを聴く程度で、自分の好みすら知らないただの田舎の中学生でした。が、人の分類として「オタク」なるカテゴリがあること、「深夜アニメ」、「ライトノベル」なるものの存在は仲の良かった同級生の話を聞いて認知していました。
私は既に体育会系のノリについていけずに部活も辞めており*2、何にもする事がありませんでしたが、何かの拍子に友人からオススメの本を見繕ってもらい借りることになったのです。*3その時になぜか本屋の袋に一緒に入っていたのが
でした。けいおん!未履修かつボカロのボの字も知らない私に何を感じてこのセレクトをしたのかは彼のみぞ知る謎ですが、他に聴くCDのあてもなかった私を沼に落とすには十分すぎる誘導でした。初めて真面目に音楽を聴いた私はまるで(まさに)刷り込みのように、ボカロ曲を人生の伴侶に選んでしまいました。
そこからはもう沼への高飛び込みでした。時は2010年、ボカロをはじめとするネットカルチャーの黎明期と呼ぶには少し遅かったですが、それでもまだまだ大衆向きとは呼べない文化の中で、各々が自分の好きなことをし、好きだったらちょっと褒め、嫌いだったら匿名で叩き、興味がなくても適当に荒らしたりする無秩序のアングラ感がそれはそれは心地よかったのです。帰宅すると深夜アニメを消化し、歌ってみた、弾いてみたの動画やニコ生を徘徊し、時折は仲良くなった人々と朝までスカイプで騒いで親に怒られる日々が2,3年続きました。
ありがちな話
米津玄師やヨルシカをはじめとするボカロをルーツとするコンテンツが大衆に受けるようになった潮流の起源、私はChromeのCMソングにkz(livetune)さんのTell Your Worldが採用されたことと言っても過言ではないと思っています。
2011年の末にこのCMが公開されて以来、それまで陰なる存在だったボーカロイドが話題に出た時にも「なにそれ聞いたことない」と返す人が減り、そして同時にGoogleでさえ注目する勢いのあるコンテンツであるという期待のこもった視線が集まり始めました。
時を同じくして盛り上がりを見せていたのはカゲロウプロジェクトと千本桜です。
さすがに時効ですしブログなので好き勝手書いてしまいますが、私はこれらの曲を取り巻く雰囲気が苦手でした。そして、これらの楽曲について私が感じた大きな共通点は、あからさまに言ってしまえば「金の匂いが透けて感じられること」でした。
ようやくボカランに貼りつき始めていた私は、これらの曲の話を目にするたびに(良い曲ではあるけどどうしてこの勢いで伸びているのかわからん)という気持ちで見ていました。*4自分の好みと違う動画が伸びる体験は腐るほどしてきましたが、当時のあの界隈では、私が惹かれていた
各々が自分の好きなことをし、好きだったらちょっと褒め、嫌いだったら匿名で叩き、興味がなくても適当に荒らしたりする無秩序
が認められていなかった。製作者のやることなすこと全肯定するコメントで画面は埋まり、それ以外のコメントが許されない空気は狂信的で、妄信的で、気持ちが悪かった。
少し経って様子を見てみると、楽曲ベースの小説化、舞台化が始まるとのことで、ああ、これは本格的に大人に取って食われて終わってしまうんだなあと思ったのを覚えています。*5
ハジメテノオトを歌った「電子の歌姫」から始まった文化は賢い誰かの目に留まったことで利益を生む道具になり、楽曲から派生した歌ってみたも音楽とは関係ない部分で良くない話を定期的に目にするようになり、私はボカロを含むネットコンテンツから自然と距離を置くことになりました。
地雷が人になる話
時は現在。
Q.「電子の歌姫」に惹かれて思春期を送り、お金の匂いが苦手だとわかって離れたというバックグラウンドを持つ人間にとって、VTuberはどんな存在でしょうか?
A.対戦車地雷
昔々、生身の人間が歌うことが当然だった歌を、音声ライブラリを使うことで二次元のキャラクターに歌ってもらえるのが「電子の歌姫」、VOCALOIDの発売でした。
そして現代、生身の人間が撮った動画を投稿し、収益を得ているのがYouTuberであるとするならば、顔認識を使って次元を落とした、「電子の歌姫」の再発明がVTuberと言ってしまってもいいのではないでしょうか。
私は自己防衛のためにもVTuberを認めるわけにはいかなかったのです。いい印象が全くなく一言でいえばアンチってやつでした。
が、コロナで散財欲が溜まって*6、悶々としている時にある動画がサジェストされまして
何を思ったか見てしまったんです。(以下ラブレター)
夏色まつりさん…札束で殴られてるこの感じ、めっちゃ人間らしくてよかったんですよね…
私がVTuberってワードから勝手に(PTSD的に)想像していた2013年頃のボカロ界隈みたいな雰囲気は彼女とまつりす*7からは微塵も感じられなくて、直感的に信用できる居心地の良さみたいなものがありました。
正直なところ、この動画を見てから今まで3日間*8の記憶がないんですけれども、切り抜き動画でもと思ってYouTubeで検索ボックスのサジェストを見ると
こんな風になってるわけです。ぱっと見センシティブでサイコパスで女好きな限界オタクなんですよ。ただそれでも、どんな動画を見ていても、視聴者やコラボしてる人のことをちゃんと尊重しているというのが一番残った印象です。
まだ彼女を知って3日、メンバーにもなってない私に何が分かるんだという話なんですが、それでも主張したい。きっと彼女は本来あるべき線引きを自分の中にしっかり持っていて、他の人々一人ひとりを尊重してて、本当の意味で人を傷つけることはしないと思う。
私も二十数年生きてきて、これまでの人生でいろいろ思うところがあります。浮気して人を傷つけたこともあるし、逆に浮気されて病んだこともあるし、信用してた人に自分の軸を笑われて泣いたこともある。だから、人を尊重するってこと、本来当たり前だとされてることを実行するのがとても難しいことだと知っていて。だからこそ私は夏色まつりを一人の人間として尊敬するし、本気で好きだと思う。
おわりに
壁打ちで済ませようと思ってたんですけど、2日目の夜に(あっこれ”ガチ”だ)って気付いてしまい、睡眠時間も確保したんですがどうにも我慢できませんでした。
結局まとまりのない文章になってしまい反省しております。
せっかくブログを開設したので、ごくごく稀にでも更新できたらいいかなと思います。
声に出して。
新しい出会いをくれた人生に
*1:一般的に推しを推すことを「ガチ恋」と表現する文脈もありますが、この記事中では原義通り恋愛感情を持つこととします
*3:渡されたのは『嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん』だったような記憶がありますが、定かではありません
*4:じんさんならワールドコーリング、黒うさPならReActの方が刺さりました
*5:当然これは音楽と文筆など複数の分野での活動を行いたい人々の創作を否定するものではなく、「最近流行り始めたコンテンツで一発儲けられそうだから勢いのあるやつ見つけてなんかやらせようぜ」が不快という、それだけの意味です。
*6:浪費癖
*7:夏色まつりのファンの公称
*8:+慣れないものを書いているせいで半日溶けてる